X（旧Twitter）と似て非なる新SNS「Bluesky」（ブルースカイ）とは？

2023年頃から話題になっている新しいSNS「Bluesky（ブルースカイ）」をご存じでしょうか？このSNSは、Twitterの共同創設者であるジャック・ドーシー氏が立ち上げたことでも注目を集めています。今回は、Blueskyがどのような特徴を持ち、なぜ多くのユーザーが関心を寄せているのかについて、分かりやすく解説していきます。

1. Blueskyの誕生背景

Blueskyは、もともと2019年にTwitterの内部プロジェクトとしてスタートしました。当時のジャック・ドーシー氏は、中央集権的なSNSの仕組みに疑問を抱いており、もっと分散型でオープンなプラットフォームを目指してBlueskyの開発を進めました。そして2021年、ドーシー氏がTwitterを去った後、このプロジェクトは独立した形で進化を遂げ、新しいSNSとして正式にローンチされました。

2. 分散型ネットワークとは？

Blueskyの最大の特徴は「分散型ネットワーク」に基づいていることです。これを簡単に説明すると、従来のSNSはすべてのデータや管理が1つの企業（例えばTwitterやFacebook）に集中しています。しかしBlueskyは、複数のサーバーやサービスがネットワークを構成する「分散型」のモデルを採用しています。ユーザーは、自分が使いたいサーバーを選んで参加することができるため、個々のサーバーが独自のルールやコミュニティを作り上げることが可能です。

このモデルは、人気の高い「Mastodon（マストドン）」などの他の分散型SNSと似ていますが、Blueskyはよりユーザーフレンドリーで直感的なデザインを提供し、一般ユーザーにとっても使いやすい設計になっています。

3. プロトコル「ATプロトコル」の導入

Blueskyの基盤技術として「ATプロトコル（Authenticated Transfer Protocol）」が使用されています。このプロトコルは、データポータビリティ（他のプラットフォームへデータを簡単に移行できる）や、異なるSNSプラットフォーム間での連携を容易にすることを目的としています。

これにより、ユーザーは1つのプラットフォームに縛られず、異なるSNSやサーバー間を自由に移動できるようになり、アカウントやフォロワー、投稿内容を保ちながら他のプラットフォームへ移行することが可能です。

4. ユーザーエクスペリエンス

Blueskyのインターフェースや機能は、現在多くのユーザーに馴染みのあるTwitterに非常に似ています。タイムライン形式での投稿、リプライ、いいね、リツイートといった基本的な機能はそのまま踏襲されています。これにより、Twitterから移行してきたユーザーもすぐに慣れることができるでしょう。

しかし、Blueskyは一部のユーザーに対して招待制を導入しているため、現在はまだ完全にオープンなSNSではありません。この招待制は、システムの安定性や安全性を確保するためのもので、徐々に一般公開へと進む予定です。

5. なぜBlueskyが注目されているのか？

Blueskyが注目される理由は、いくつかの背景があります。

Twitterの混乱：イーロン・マスク氏によるTwitter買収以降、Twitterの運営方針に不安や不満を抱くユーザーが増え、代替SNSの需要が高まっています。Blueskyはその最有力候補として位置づけられています。
プライバシー重視：Blueskyは分散型ネットワークの特性を活かし、プライバシー保護やデータの所有権をユーザーに委ねることができるため、個人情報流出やデータの不正利用に対する懸念が少ないと評価されています。
オープンなコミュニティ作り：各サーバーが独自のルールを設定できるため、多様なコミュニティが形成されやすいのも魅力の1つです。多様な価値観やニーズに応じた柔軟なSNS体験を提供します。